露盤   露盤は、本来棟頭頂部の雨仕舞いとして考案された構造材であるが、擬宝珠を取り巻き豪華な棟を一層彩る「錺」へと、その姿を変えていったものである。

 彫刻露盤に於いては、松本系では三代目松本義廣作品と下絵が出て来た堤義法作品を、黒田系では岸和田の名工・岸田恭司作品を、加えて地元・姫路より現代の彫刻のメッカ・富山県井波で修業し独り立ちした若い工匠達の作品を展示しています。古から現在まで、連綿と屋台彫刻の意(こころ)と技とが力強く承け継がれている事を感じて戴けたら幸いです。
 一方、金具製露盤於いては、播州錺金具師の両巨頭、カナセ・下間清平とカナキ・木村円二郎の作品を展示していますので、播州が生んだ名工の技を心ゆくまでご堪能下さい。
 更に今展示会では、意匠(龍・七福神・獅子)が似通った作品の、彫刻彩色⇔彫刻木地⇔金具の比較展示をしていますので、その趣の違いを間近で味わって下さい。

意匠:菅公日笠山の景
   大塩次郎獅子奮迅の武功獅子の玉乗り
   菅公雷神化身の景
   素戔之男尊八岐大蛇退治
作 :前田貴史
材 :檜
地区:大塩・大塩天満宮/中之丁
 前田師は昭和49年、姫路市網干区生まれの
33歳。
 平成5年、彫刻のメッカ・富山県井波で修
業に入り、平成12年に独立。
 本品の他代表作に、網干・魚吹八幡神社/
天満、大塩天満宮/北脇、的形・湊神社/地
の正角等がある。
 師には5月4日(祝)、当会場にて実演を行
って戴いた。