【13】平成24年決算特別委員会 平成24年10月18日 |
質問者:水田裕一郎 県議 答弁者:村上 文化財課長 |
○(水田裕一郎県議) 10月は秋祭りの季節である。姫路の祭りでは、松原八幡神社で行われる灘のけんかまつりは特に有名だが、私が育った飾磨・浜の宮天満宮の秋祭りでは、市の重要無形民俗文化財に指定されている「台場差し」が、他に類を見ない荒業として知られている。「台場差し」は1855年(安政2)年、16人の氏子が披露したのが始まりといわれ、本棒や脇棒を持ち上げた氏子が「サ、イ、テ、バ、チョーサー!」の掛け声を合図に重さ1トンを超える屋台を頭上に放り揚げると、屋台の土台「泥台」を支える24人が手を突っ張って屋台を掲げ、屋台が宙に浮いているかの様に見える伝統の技で、掛け声に合わせ何回太鼓をたたけるか(差し上げられるか)を競うものである。こうした祭りの多くは、老若男女を問わず、昔から正に地域が一体となって行われ、特にマニュアルめいたものは存在せず、子どものときから、見て、聞いて、やってみて、という体で自然に地域アイデンティティを覚えていくものが殆どである。そして、このような地域では、大人も子どもも顔見知りで、ひいては、地域ぐるみで子どもたちを見守り、育てていくというなかで、自然な形で健全育成という名の教育が行われており、こうしたことからも、今後、何世代にも渡って受け継いでいかなくてはならない伝統的文化である。
そこで、郷土の伝統と文化に対する関心や理解を深め、保存・継承・発展させるための取り組みについて、県立歴史博物館における常設展「ひょうごの祭り」のような伝統と文化のソフト面での発信や、展示施設等のハード面での拡充に向けた取り組み等も含めお尋ねする。 ○(村上文化財局長) 本県では、これまでから播磨の祭礼や稚児の祭礼等の調査報告書を刊行すると共に、民俗文化財として県指定文化財に指定することにより、その保存と継承を図っている。また、伝統行事や伝統芸能を地域の活性化資源として活用することを目的とした文化庁補助事業である「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」を積極的に活用し、毎年300近くの県内民間団体が行う取り組みを支援している。さらに、県立歴史博物館と考古博物館では、平成23年度には290団体、22,143人の学校団体の子供たちを迎え、兵庫県の歴史文化の実物に触れる授業が展開されており、次代の地域文化を担う子供たちへの教育に活用されている。
県内の伝統文化を広く周知する取り組みとして、県立博物館では、先般のリニューアル時に「ふるさと再発見」をテーマに常設展示を拡充し、ネットミュージアム「ひょうご歴史ステーション」で県内の祭りと芸能を広く紹介しているところである。また、来春に行われる三ツ山大祭では、文化財指定に向けた調査を姫路市と県が連携して行うと共に、県立歴史博物館で関連した特別展「姫路・城下町の祭礼−播磨の国総社の三ツ山大祭−」を開催するなど、地域の伝統と文化に対する関心や理解を深める取り組みの充実を図っていくので、ご支援の程よろしくお願いする。 |
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【屋保連見解】 具体的に「播州屋台会館」と云う固有名詞が出た訳ではないが、質問の中に「展示施設等のハード面での拡充に向けた取り組み…」とある様に、屋台会館を念頭に置いた質問であり、水田県議は日頃から「屋保連が提案している屋台会館に関して、県行政として市と共同で、或いは側面からサポートする方法は無いか」と語っており、12月の本会議に於ける一般質問でも重ねて触れたいとの事。県議・市議による支援体制が徐々にではあるが整いつつある。
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