【5】平成15年第3回定例会
   平成15年9月10日

質問者:北野  実 市議
答弁者:大前 信也 企画局長

(北野 実市議)(登壇)
 通告に基づき質問をさせていただきます。
 (中略)
 続きまして、観光駆動型まちづくりへのシフトについてですが、冒頭でも申しましたが、姫路市を支えてきた産業構造や取り巻く経済環境が大きく変わろうとしています。サービス業を初めとする観光事業を姫路市の大きな軸にしていくという覚悟というか、自覚が今必要になってきたように思われます。要は、観光駆動型のまちへ、ハードもソフトも、市民の意識もシフトしていく必要があるのです。
 とりわけハード面では、世界文化遺産姫路城、書写山圓教寺に代表される数々の歴史的な文化財は言うまでもなく、姫路の資源として世界に誇れるものとして君臨していますが、新しいイメージとして、播磨地域で盛んな「祭り」というキーワードを用いた軸を新しくつくり上げることが一つのイメージ戦略であり、観光駆動型へのまちのシフトへの一歩であるように感じます。
 私のような生まれも育ちも、祭りの盛んな地域でない市民が、あえてそう思えるぐらい姫路、播磨の祭りは、その屋台の勇壮さ、それに刻まれた数々の文化、何といっても人が演じるパワーは、この地域の大きな資源であることは、だれもが認めるところであります。
 そのような中で、今まさしく市民運動として、播州屋台会館の建設早期実現を多くの市民が望んでおります。播州屋台会館の建設は、平成8年より姫路青年会議所の播州固有文化の発掘として、屋台の狭間部分の播州彫刻の保存、継承の事業に始まり、平成10年には、播州の祭り、屋台に関するソフト、ハード面に至る文化財を継承、保存、情報発信する必要性を問いかけて、姫路市内50近い自治会のご賛同を得、屋台文化保存連絡会を結成し、建設実現に向け本格的な活動に入りました。
 本年は、屋台会館の実現に向け多くの市民の賛同を形に変えようと、署名活動を今現在も進められております。その数は現段階でも10万人を超え、広く市民に広がる運動として命が吹き込まれています。
 予定では、10月初旬にはこの署名を添えて提案書を市長へ直接提出される運びになっていると伺っております。祭りのイメージや雰囲気を一次的なイベントの中に取り上げられて、情報発信するのも一つの手法として効果はあると思いますが、恒久的な祭り文化の殿堂として、姫路の新たな観光拠点として会館はともに大きな効果を生むものと確信いたします。
 このような市民運動も巻き込こるぐらいの祭り文化をぜひ新たなる姫路の観光の大きな柱として取り入れ、そして姫路の新しいイメージとして全国に発信できるよう播州屋台会館の早期建設に関して当局の前向きなご答弁をお願いいたします。 
 (後略)

(大前信也企画局長)(登壇)
 私からは、議員のご質問中、3番目の観光駆動型まちづくりへのシフトについてのうち、1点目の播州屋台会館の建設、早期実現に向けてについて、お答えいたします。
 姫路地域は、多彩で魅力ある文化、歴史風土が数多くあります。中でも屋台を中心とした勇壮な祭りは地域資源の好例であります。祭りにかかわる無形民俗文化財として、「風流」や「獅子舞」などが市内で7件指定されております。また、本市の文化施設での各種展示にご協力をいただくなど、文化的価値はもちろん、観光都市姫路の発信にも大いに寄与しているところであります。このため、個性豊かな地域づくりのために、今後とも継承し発展させていくべきものであると考えております。祭りや屋台文化の保存と継承につきましては、議員お示しのように、姫路青年会議所が中心となって、屋台文化保存連絡会が結成され、屋台会館の建設へ向けたさまざまな活動がなされていることは、承知しているところであります。屋台は、それ自体がさまざまな職人の技の結集でありますが、特に当地域の屋台は、多くのすぐれた装飾品を備え、全国に誇れる姫路祭り文化の象徴とされております。
 議員お示しの観光の柱として屋台会館を建設してはどうかとのご提案につきましては、
市が公共性を持った事業として取り組みます場合、行政上のしっかりとした位置づけが必要であり、屋台文化の保存のあり方や、祭り自体が基本的には地域に根差した祭事、祭礼であることなどを勘案する必要がございます。
 したがいまして、市民や各種団体の方々の取り組みを見守る中で、企画展示など、ソフト面での既存施設との連携等も視野に入れながら、
観光資源としての活用も含めた行政施策上の位置づけや、施設のあり方などについて研究していく必要があると考えておりますので、ご理解賜りたいと思います。
 以上でございます。

【屋保連見解】
 北野市議はこれまでと違った観光と云う側面から質問した。又氏は「提案書&署名簿」にも触れたが提出直前であった為、大要(太斜字フレーズ)の答弁に止まったが、答弁の中で始めて観光の側面に触れられた事により、会館に関する行政上の位置付けに加え、観光としての行政施策上の位置付けを担保出来る解決方法を探って行く必要性を感じた。

 尚、北野実市議は平成11年度の姫路JC理事長であり、当年春の統一地方選挙では、屋台会館建設支援も公約の一つに掲げ初当選した。屋保連では早期実現に向け、同氏を始め支援戴ける議員との連携を強化する方針を打ち出し、翌16年以降の「市議会議員懇談会」の開催に繋げ、多くの市議会議員の理解と支援とを得、その輪が拡がりつつある事は非常に意義深い。