【7】平成16年第4回定例会
   平成16年12月7日

質問者:井上 和郎 市議
答弁者:米田  洋 助役
(井上 和郎市議)(登壇)
 通告に基づき質問します。
 (中略)
 第4の問題点は、日本一すばらしい秋祭り、屋台文化を保存継承すると同時に、姫路の秋祭りを全国に、世界に発信することについてです。
 祭り屋台は、勇壮さといい、けんらん豪華さといい、芸術・文化・伝統工芸の面から言っても世界に誇れる姫路の貴重な財産です。祭りの起源は古く、歴史と伝統に輝くと同時に、歴史的な節目で大切な役割を果たしてきました。近代では、昭和10年から15年の戦時中にも飾磨祭りが、昭和21年には戦後の復興をかけていち早く灘祭りが、また天皇が亡くなられた際に他のすべての祭りが中止の中で、大塩の祭りが意気高く堂々と運行されたことなどが語りぐさになっています。
 さらに、網干のちょうちん祭りや荒川の小芋祭りなどなど、どの地域の祭りも夢とロマンがあります。姫路の祭りは人々に生きる希望や勇気、感動を与え、人々のきずなをしっかり結び、人の和を大きくして、それぞれの時代を動かす巨大なエネルギーを発揮してきました。
 第1に、祭りは地域の誇りであり、心のよりどころであり、「匠の技」が結集された屋台は地域の芸術であり、文化であり宝物です。
 第2に、この祭り・屋台文化を地域が一丸となって子供、女性、若者、お年寄りなど、みんなが力を合わせて、役割と責任を持って運営し継承していきます。生涯現役、みんなが主役の祭りは、全国に、世界に誇る姫路の地域の大イベントです。遠く離れたところに就職しても、母親のおなかにいるときから祭り太鼓と笛の音で育った若者たちは、お盆やお正月にふるさとに帰れなくても、祭りには必ず帰ってきます。
 第3に、祭り・屋台文化を継承してきた巨大なエネルギーを生かして、にぎわいのある市民が主役の新しいまちづくりを進めるべきではないでしょうか。祭り・屋台文化を保存、継承する市民運動を積極的に支持し、できる範囲の助成をするべきではないでしょうか。
 第4に、お祭りイベントのザ 祭り屋台in姫路を全国に世界に発信すること、市の予算を組んで日本一の姫路城と祭り・屋台文化を新しい観光姫路として大いにアピールすべきではないでしょうか。
 第5に、播州屋台会館の早期建設署名簿10万9,442名分が既に姫路市長に届けられていますが、署名を受け取った感想と署名に託した市民の願いを今後どのように生かされるのか、市長のご見解をお聞かせください。
 播州屋台会館の建設について、市民団体や多数の市民が活発な動きを展開しています。姫路にふさわしい屋台会館の建設が必要と考えます。基本的な考えをお聞かせください。
 都心部まちづくり構想素案へのパブリックコメントでも多くの意見が出されています。政教分離は大原則ですが、観光姫路、姫路の経済再生などの面からも屋台会館の建設に向けて、市民論議を本格的にすべきではないでしょうか。

 (後略)

(米田 洋助役)(登壇)
 井上議員のご質問中、4項目めの4点目と5点目についてお答え申し上げます。

 (中略)

 次に、5点目の播州屋台会館建設の是非を問い、本格的な市民議論を行うことについてでありますが、屋台文化保存連絡会や姫路青年会議所などの市民団体による屋台会館に関する自主的な取り組みが継続的に行われていることは、まことに意義あるものと認識しております。また、昨年10月にいただいた署名につきましては、市といたしましても真摯に受けとめており、現在他の地方公共団体などが設置した施設を中心に、建設費や管理運営費、それに、年間の利用者数等について調査を行っているところであります。
 この調査によりますと、これらの施設では、年間の利用者が数万人程度と少ないものが多く、展示内容の硬直化などの課題も抱えており、厳しい運営状況となっていることがうかがえる、こういう状態であります。したがいまして、これらの諸問題につき、関係団体とも意見交換を行いながら、引き続き調査研究を進めてまいりたいと、このように考えております。
 以上でございます。
【屋保連見解】
 「第2回市議会議員懇談会」直後になされた井上市議初の質問である。氏は6月の北野実市議の質問をなぞる様な形で、太字部分の前2項目=署名の受け止め・それをどう生かすかと云う質問をし、後1項目で市民議論の展開の必要性を問うた。
 対して米田助役は真摯に受け止め、それを受けて他都市施設の調査を行っている事を述べるに止まったが、後段では、現在調査中の類似施設が抱える問題点を披瀝し、更にはこれら問題点に関し、関係諸団体と協議する旨の答弁を行った。

 この関係諸団体とは、明らかに屋保連・姫路JCを指すものであり、我々と具体的課題について意見交換を行うと云う答弁は画期的であり、会館建設実現に向け大きな一歩を踏み出したと言える。

 この答弁を受け、屋歩連では平成17年度事業計画に於いて、「展示内容の硬直化」を解決する一助となる聴き取り調査を会員地区に対して行う事を決定した。