播 州 祭 り 探 訪 (会員地区の祭礼)
神社名・地区名をクリックすれば、各地区の屋台の写真と説明が間違いがあればご指摘下さい。(目安箱:info@matsuri.gr.jp
本ページは、会員地区等よりご提供戴いた、写真・資料等に基づいて構成されています。この場を借りて、各自治会始め、祭典関係者の皆様にお礼を申し上げます共に、引き続き情報提供にご協力戴きます様お願い申し上げます。
◆飾磨・浜の宮天満宮=伝統と豪快な「台場差し」(10月8日・9日/須加天神西細江
浜の宮の見みどころは何と言っても「台場差し」。僅か24人の男たちが命懸けで屋台の台場を差し上げる豪快かつ華麗な練り技は必見。宮入り前の3台練りで、屋台が道幅一杯に練り合わせて進んでくる姿も迫力満点。御幸橋の上での差しは、狭い橋の上でまっすぐに差し上げられた屋台が川面に映り、ここも見逃せないロケーションの一つ。差し別れの3台練りも、各町最後の最後迄競い合い、太鼓の音は夜遅くまで町中に響き渡る。又、屋台の造り・祭事全てが古式にのっとり、情熱溢れた若者達でこの独特な祭り文化を守り、飾磨祭りの本流としての心意気を継承している。「屋台練り台場差し」が平成13年8月23日、姫路市重要無形民俗文化財に指定された。
◆飾磨・恵美酒宮天満神社=「台場練り」と華麗な練り合せ(10月8・9日/東掘都倉町御幸栄町玉地清水北細江小瀬)
節句祭りとして、播州一円のトップを切って行なわれる祭り。みどころは、提灯や電飾で彩られた華麗な屋台の練り合せと、「台場練り」。屋台の台場に24人の練り子が入り、その練り子だけで2トンもある屋台を肩で支え、荒々しい力自慢の練りを見せる。尚、この台場練りと練り合せは、宵宮は境内で、昼宮は山陽電車飾磨駅北側道路と境内とで見られる。「台場練り」が平成19年4月姫路市無形民俗文化財に指定された。
◆津田・津田天満神社=「一気差し」の荒技(原則として10月体育の日直前土曜・日曜今在家加茂思案橋)
猿田彦(通称:鼻高天狗)の露払いで始まる神幸行列を屋台が出迎え、御旅所での神事の後宮入となる。見どころは、狭い拝殿の中で屋台を地面から一気に差し上げる荒技の「一気差し」。又、檀尻上での獅子舞も見もの。
◆飾磨・中島天満宮=「練り合せ」と「台場練り」原則として10月体育の日直前土曜・日曜中島下野田中野田
中島・下野田・中野田の三ヶ町が参加。中島は平成6年、37年振りに復活した大屋台と檀尻・中屋台・小屋台を、下野田は大屋台と小屋台を、中野田は小屋台を有し、氏子・町民総出で祭りを作り上げている。天満宮周辺の長閑な田圃道を行く風情は何とも趣があり必見。又、下野田は「台場練り」も行う。こちらも必見。
◆手柄・生矢神社=(原則として10月体育の日直前土曜・日曜/亀山飯田手柄栗山町
姫路市のほぼ中央に小高い山がある。市民が親しむ手柄山。その山の南裾に生矢神社は鎮座する。
10月の体育の日の前日が本宮。ご神紋は「丸に並び矢」と「丸に三本杉」があり全国でも珍しいもの。このご神紋を手柄・飯田・亀山・栗山の四町の氏子が練る大小6台の屋台に掲げる。
宵宮にそれぞれの町練りをした屋台は、飯田・亀山の子供屋台の先導で本宮の午前に境内馬場に参集し、その後、幟及び屋台の練り合わせが盛大に行われる。そして屋台は一段と小高い位置に鎮座した神殿へと登り神殿を一回りする。付近一帯は昼食を摂る氏子参詣の方々で賑わう。
◆広畑・才天満神社=(原則として10月体育の日直前土曜・日曜/)
書写山は西の比叡山とも言われ、圓教寺は天台宗の準別格寺院であるが、毎年1月18日に行われる修正会、所謂鬼追いの鏡餅は才村が奉納するしきたりで、内陣には民間で唯一、才村の座が設けられている。才屋台の装飾には、総才端や正隅に「鬼」の意匠が、そして何と言っても圧巻は、狭間の「圓教寺鬼追会式」である。才の鬼追いへ誇りを感じる。
◆広畑・菅原神社=「室街道練り」(原則として10月体育の日直前土曜・日曜/小坂)
「室街道」は姫路と室津とを結ぶ街道で、才・小坂・西土井・宮内・津市場を通り御津を抜け室津に到る。江戸時代から旅人の交通は勿論、経済を支える幹となった街道。平成26年に大改修大型化がなった屋台が50年振りにこの室街道を練り進んだ。その屋台は、魚吹八幡神社の氏子地域が隣であるので、難なく東西の屋台を融合した。現大屋台も両方の要素を組み込んでいる。街道は才に繋がり、互いの先代大屋台はこの道を通って訪ね合ったと云う。
◆前之庄・天神社=「急階段の宮入・宮出」(原則として10月体育の日直前土曜・日曜/中島)

見どころは、何と言っても80余名で力を合わせて150段の急階段を宮入・宮出するところ。他では見られない魅力。

◆広畑・蒲田神社=「準備中」(原則として10月体育の日直前土曜・日曜/西夢前台四丁目)
◆的形・湊神社=「手づくり」の秋祭り(10月13日・14日/児嶋南山河北山河苅屋連合)
10月13・14日に行われる例祭では、屋台7台と子供御輿5台が出揃う。14日本宮では湊神社のお旅所である八幡神社への神事渡御行列があり、それに続き屋台もお旅所へと向かう。お旅所の八幡神社は小高い山の上にあり、急坂を屋台が「ヨイヤサー」の掛け声も勇ましく力強く登るのが見せ場となっている。
また夕闇迫る頃、お旅所を後にした屋台は、山電的形駅前に集結し、別れを惜しむが如く何度も何度も練り合わせを行い、見物する人々と一体になり最後の盛り上がりを楽しむ。
「若者が減少傾向にある昨今、伝統あるこの地域行事を後世へ伝えおくことが氏子の責務」と地元の弁。
◆的形・福泊神社=「摂津播磨五泊の誇り」の秋祭り(10月13日・14日/福泊)
例大祭には、大屋台の他に子供屋台も練り出され、町内を巡行したのち福泊神社の向かいにある御旅所・若宮神社(八幡神社)へ向かい、境内で屋台練りが行われる。
福泊神社で神事を終え町内を巡行した屋台は、的形町の湊神社へと向かう。福泊は湊神社の氏子ではないが、戦後間も無く湊神社より招かれて以来、毎年参加する様になった。現在では的形の祭りとして、湊神社と福泊神社と合同で祭礼行事を行っている。的形の祭りは激しい屋台練りが特徴で、湊神社への宮入りを済ませた各屋台は、御旅所に行くが、福泊は湊神社の氏子ではない為、御旅所には行かず、夜、的形駅前で再度合流し最後の練り合せを行う。
◆大塩・大塩天満宮=鎌倉時代から伝わる「獅子舞」(10月14日・15日/東之丁宮本丁中之丁西之丁北脇西濱
豪快な屋台の練り合せも見事ですが、何と言っても呼び物は「獅子舞」。鎌倉時代から行われていたと伝えられる「獅子舞」は氏子8地区から8頭の獅子が参加し、いづれも頭から胴体・尾先まで全身毛で覆われた毛獅子が見事。見どころは、8頭の獅子が一列に並んで鳥居から拝殿までゆっくりと舞い進む「道中舞」。そして獅子は境内にては野趣溢れる「地舞」を披露する。尚、「獅子舞」は昭和63年2月29日に姫路市の、平成元年3月31日には兵庫県の無形民俗文化財の指定を受けている。
◆灘・松原八幡神社=歴史と伝統を誇る「灘のけんか祭り」(10月14日・15日/木場松原中村妻鹿宇佐崎東山八家
今から1200年余前、天平宝宇7年に松原八幡神社は創建された。最大の見どころは、けんか祭りの呼び名の如く広畠で行われる「神輿合わせ」。激しくぶつかり合い、せめぎ合い、壊れるまで暴れ回るシーンは圧巻。屋台の「練り合せ」の怒涛の様な力声と太鼓の響き、色とりどりのシデと鉢巻は正に音と色彩の饗宴。14日の夕刻には神社楼門前で7台練りが見られ、宵宮最大の見せ場となっている。又、松原「露払い獅子屋台」の太鼓の音は平成5年、環境庁の「日本の音風景百選」に選定された。この獅子檀尻が、威勢良く歌う囃子と同時に空中から地面に叩き付けられても、乗り子が太鼓を打ち続けている様も一見の価値あり。「祭礼風流」は平成4年10月3日には姫路市の、又平成18年3月3日には兵庫県の重要無形民俗文化財に指定されている。
◆英賀・英賀神社=名だたる伝統の「梯子獅子」(10月17日・18日/高町中浜山崎附城英賀東春日若倉英賀保駅前町英賀宮町西西浜町矢倉東矢倉西英賀清水英賀西富士見ヶ丘城南町)
平成12年の秋祭りより、中浜・山崎の2地区に三十数年振りに大屋台が復活。氏子地区の多い神社だけに、今後も大屋台の復活・新調が予測され、益々賑う事が期待される。当神社の最大の呼び物は、英賀と云えば梯子獅子、梯子獅子と言えば英賀と云われる程の名声と伝統を誇る「梯子獅子」。
◆荒川・荒川神社=別名「小芋祭り」(原則として10月第2土曜・第3日曜/町坪中地玉手岡田井ノ口西庄
太鼓屋台・大幟や子供神輿が繰り出され、太鼓屋台の練り・練り合わせ方等の芸能には農民の気質と氏子地区の特色をよく残し、境内馬場での太鼓屋台の動きがこの時期の御馳走である小芋を桶に入れて皮を取る時の動きに似ている事から「小芋祭り」の称が起こった。見どころは、屋台が練り場から拝殿まで担ぎ上げられ、町内の結束が問われる「階段登り」。又、各町においての町練りも力の入った練りが披露され、仲々見応えが有り風情を感じる。平成16年9月1日、都市化が進んだ現代社会に、稲作過程に応じた祭礼行事が残っているとして、七月の「田休みの祭り(夏祭り)」、九月の「八朔祭り(田の実の節句)」、十月の「秋祭り(小芋祭り)」が一括で荒川神社例祭風流として姫路市重要無形民俗文化財に指定された。
◆御津・富嶋神社=伝統の「巴練り」と「差し交わし」(原則として10月第3土曜・第4日曜濱田)
氏子は、姫路市網干区浜田、揖保郡御津町苅屋、釜屋、黒崎の4ヶ村。大屋台5台(浜田2台)、子供屋台2台(苅屋・黒崎)、壇尻1台(西釜屋)で秋季祭礼を行う。元々貴布禰神社氏子の浜田、苅屋と八幡神社氏子の釜屋、黒崎であったが、龍門寺を開いた盤珪国師の勧めで、現在の地に合祀されたと伝わる。よって、境内での屋台練りも、3台が巴になってチョーサを延々繰り返す「巴練り」と、差し上げた屋台が動く「差し交わし」の2通りが行われる。また、本神社は大門がなく、宮入時に他の宮のように擬宝珠を外さない。宮外でひとしきり練ったあと、担き棒を膝元まで下ろし、地面すれすれで一気に鳥居をくぐり抜ける宮入は富嶋神社ならではのもの。
◆網干・魚吹八幡神社=「提灯練り」と「チョーサ」(10月21日・22日/宮内興濱新在家余子濱垣内朝日谷大江島平松吉美天満西土井長松坂上糸井高田和久福井坂出津市場北津市場宮田熊見田井
敷村1ケ村・屋台18ケ村・檀尻4ケ村・獅子檀尻1ケ村とこの数字だけでも規模の大きさが分かる。別名「提灯祭り」とも呼ばれる由来は、宵宮の夜、楼門前で行われる「提灯練り」を行う事から。練り子の叫び声と観客のどよめきの中、提灯を付けた竹を激しく打ち鳴らす音で盛り上がる。屋台の練りにも独特のものが有り、「チョーサ」は最大の見せ場。子供から女性まで地域全体で盛り上がるのは勿論だが、見られる事を意識して進化して来た伝統有る祭りと地元の人々は語る。又、「祭礼風流」は平成4年10月3日に姫路市の、平成19年3月9日に兵庫県の無形文化財指定を受けている。